品
お久しぶりです、いつの間にやら季節もすっかり秋となりました。
新暦では今は早、旧暦では未だこれからの九月九日は重陽、菊の節句。
と聞きますと、私は一番に「菊のきせ綿」という行事を思い浮かべるのですがご存知でしょうか?
節句の前夜から菊の面に綿花を冠らせ、
そのうちに結ぶ微かな白露使って早朝、自らの身体を拭うのだそうです。(不老長寿の術らしいです)
そんな微少なものをわざわざ花から仕立てるとは、まるで神仙界の催しのようですよね。
風流韻事極まるなと、真聞き知った当初より印象が深いのです。
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ところで、本日本旨は、この夏の活動報告です(遅い)
うかうかしておりますと、季節は無情に過ぎてしまうもので、あわや夏炉冬扇の事態でした。(既視感)
自分の無精ぶり、お恥ずかしい限りです。取り急ぎ列挙させて頂きます。
何だか年賀状じみていますが暑中お見舞い、暑中お見舞いです(二度)
絵の詳細については長ったらしくコメント欄に記しましたので、ここでは一思いに省略させて頂きます。
その後一度は色塗りに掛かったのですが(下図
毎度乱筆止むを知らずで、次第に長物がとぐろを巻き始めたり等々――
一寸見た目にアレですし、収拾も付きませんしで、終にはあえなくなりましたね。
この水色はなかなか好きだったのですが、自分の悪い向こう見ずさをしみじみ再認識致しました。
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此方は20分そこそこで描いたと思われる習作。
やはり描きはじめは白と黒で、上のものと同じ手法です。
基本的に暗い所は、黒のブラシで、明るい所は背景の白をにじみで混色しつつ塗り重ねていきます。
明暗が濃くなるにつれ、輪郭線は不要になってきますので、
線画の苦手な私はこの手法で漸く我が身を保っているのです。
真剣さには随分欠けたのですが、描き上がっただけ自分は満足でした。
最後の色付けは明暗反転後に、明るい青色をオーバーレイで乗せてあるはず、です(記憶曖昧)
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此方は先だっての分。
コメントの通り、何故か唐突に文金高島田と角隠しが描きたくなったのです。
この界隈で純和風はどうなのかと思うも、やはり欲求には素直に従わざるを得ませんでした。
人物モデルは特に無いのですが、珍しくも好きなイラストレーターさんの絵柄を意識して描いてみました。
常が常なので、 色も線もぱっと分けられず、こう見えて意外と大変な作業でした。
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最後は完全に打ち遣ってしまった絵だったのですが、畏くもタグを頂いておりました……。ありがとうございます。
その後、御加減は快方へ向かわれましたでしょうか?
みてみん投稿の為に一度見直して、我ながら驚いてしまったこの暗さは一体何事。
描き手の進退窮まっていた気持ちが画面にも反映されたのでしょうか。真に甚だ不審です。
せめて、皆さんの目にも何かしら含むところありげに映りましたら不幸中の幸いです。
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と、以上ですね……。
今回は苦労した割に不始末ばかりで、あまり突き詰めたものはご紹介することができませんでした。大変失礼致しました。現在取り組んでいる絵については、次回必ずやさっぱりとご報告に上がりたく思いますよ。
なお、其方がめでたく完了した暁には、企画参加か、もしくは
お題頂戴か何かで皆さんと少しばかり交流させて頂けたら嬉しいです。
噛みつく機会(?)は暗がりからじりじりと狙っておりますので、
皆さま明るい月夜ばかりとは決してお思いなさいませんように。
ではでは本日無様な自供はこれまで。
また遠くなくお会いできる日を楽しみに致しております。
つくねさん、こんにちは。
(と、私も御言葉に甘えてそそっと距離を縮めさせて頂きました)
呼び方など一向気にしたことはありませんので、
どうぞ今後とも、御遠慮なくお呼び立て頂ければ幸いです。
描いては流していた絵について、度々御目に懸けてくださったことありがとうございます。心から喜んでおります。
数年を経てお話出来るのも、しつこいようですが本当に感涙ものだとつくづく思う次第です。
彼方の絵は自分の左手を眺めつつ、右手でぐりぐりと仕上げたもの。
特にひねりも無く描き進め、最後に気分で明暗反転しただけというなかなか質素な作りですが、
図らずもつくねさんお好みの風合いであったのなら大変光栄に思います。
お優しい御言葉も、ありがたく。
下地は好きなり御意は良しと、其方のご期待は謹んで頂戴致しましたよ。
本格的に夏炉冬扇の様相を呈してしまいますが、何かしらの死霊生霊はいずれ隙を見て描こうと思います。
どんな物が好いでしょうか、今から無駄に計略をめぐらしておきます……。
編集ソフトについてのお話は、皆さんのブログ記事でもしばしば目にするのですが、
下描きから完成まで一貫してGIMPを使っている、という方はついぞ見かけませんね。
物凄く使い辛いというわけでもないのですが、実は世間一般的にも利用者の少ないソフトなのでしょうか?
その辺り情勢は一度知ってみたいものです。
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▼ おうち穂里 様
おうちさん、こんにちは。
当方押し入って頂くほどの金品も蔵しておりませんので、
何時でもお気軽にお立ち寄りください。
一言、雑談、相談、告白、どの様なお話でも喜んでお受け致しますよ。さ、まずはお茶を。
実は反省続きのこの頃で、更新に気後れがし、こんなにもご報告が延びてしまいました。
まさか心待ちにしていてくださったとは露知らず、ありがとうございます。目前の景色もすっかり滲んでいます。
おうちさんの御声にはもっとしっかりお応えしたかったのですが、
力足りず、白黒絵でお茶を濁してしまいまして大変失礼を致しました。
『太平広記』については情報提供頂いたことで、思わぬ収穫を得まして、過日は真に面白く過ごすことが出来ましたね。
偶然、それとも知っておいでで呟かれたのか、私には知る由もありませんが、お話、白蛇伝の全国初出は此方の内の一編だったようです。
反封建主義、恋愛至上主義が芽生えた世間に応えるように、このお話は変わっていったのですよね。
私も考察本を読んで、そのように存じております。
小さな地域の伝承が、大衆の物語となって次第に変容していく、それはとても面白い現象だなと興味深く感じていました。
御手元の漢籍にもあたってくださったとか、本当に御親切を痛み入ります。(白文を追えるおうちさんとても素敵です)
御気に掛けで頂いけただけで幸せ限り無く、ご感想は謹んで胸に畳み込んでおります。
皆さん暗躍中に母上描いておりました。
しかし私も本当は双子の彼女たちをこそ描きたかったのです……。凛しさ強かさが表れないのでいつも悶々と悩むばかりでなかなか前に進みません。
未完成の絵でも上げてしまった本家、と思えば、俄然ハードルは下がったはずです。さあ、どうぞ御遠慮はいりませんよ。
私、冴える明月のように過ごせるのでしょうか……(固唾
夜陰に乗じて事をしでかすのが精々、と自分は考えているのですが、長夜の暇には是非ぜひお近づきくださいますように。